財布が戻ってきた日、胸が熱くなった話

昨日の夕方、ふと気づいたんです。

「あれ、財布がない…???」

何度もカバンや車の中を探しても見つからず、冷や汗がじわり。

「やってもうた…また妻に怒られる…」と頭の中では、免許証の再発行の段取りを考えながら、大阪府警の落とし物検索サイトを開きました。

すると、見覚えのある色と形の財布の情報がヒット。

一縷の望みをかけて電話をかけてみると――「ありますね」とのこと。

ホッと胸をなでおろしたのも束の間。次に気になったのは中身です。

というのも、前日に限って、ペイペイとd払いにチャージする予定で、現金を多めに入れていたんです。もうこれは諦めていましたが、念のため中を確認してもらうと……

なんと、一円も減っていない。

「マジですか!?」と、思わず大きな声が出てしまった時は、警察の方も電話越しで耳が痛かったかもしれません。

届けてくださった方のお名前を聞こうとすると、「それは結構です」とのこと。聞けば、観光で来日していたアメリカ人の方だったそうです。

このお金があれば、タダで神戸牛も高級寿司も家族で楽しめたはず。なのに、そんな気持ちにもならず、言葉も文化も違う国で、見ず知らずの人のために届けてくれたその行動に、思わず胸が熱くなりました。

この出来事を通して、あらためて気づかされたことがあります。

それは、人の優しさは、国境や言葉を越えて存在するということ。

今はもう、その方に直接感謝を伝えることはできません。でも、ボクにもできることがあると思うのです。

たとえば、中央区での配達中に、道に迷っていそうな観光客がいたら、「May I help you?」と、こちらから声をかける。すれ違いざまに目が合ったら、ちょっとだけ口角を上げて微笑んでみる。

たったそれだけでも、次の誰かの心を少し明るくできるかもしれないな、と。

この財布の出来事は、ただモノが戻ってきたという話ではありません。

そもそも、人は優しい。

自分が受け取った優しさは、次の誰かに渡していこう。

そんな気持ちを自分は持ち続けよう。

そんなメッセージもあったのかもしれませんね。

今日も日本のどこかで観光を楽しんでいるのかな。

財布を拾ってくれたアメリカ人の方、サンキューベリーマッチ!